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Spring has come

”春がきた”
3年ぶりのBLOG。今年の春は、大きな意味でもいろんなことが新しく始まるような期待が感じられる気がして、とても待ち遠しく思っていました。
桜があまりにも美しく咲き誇って、その風景に癒されていた先日、母を見送りました。
それまでも、見送ってからの数日も、本当にあっという間で、私自身50年以上生きてきた中でたくさんの経験を経て私なりの死生観を育ててきたつもりですが、母という存在を見送った後の感情は思った以上に想像が足りていなかったなと、日を経るごとに味わっています。
寂しさが辛いと思う執着心ではなく、こうすればよかったという後悔でもなく、なんだろう。
愛という概念を改めてひしひしと感じていて、そんな大きな分岐点を母に貰ったような感覚。
この2年ほど、ただただ本人の身体の辛さや苦しさがないようにと、関係者の方々とコミュニケーションを取り、うっかりな私を支えてくれる頼もしい兄との密な連携を保ちつつ、望むことを出来るだけしてあげたいと大好きな甘いものを差し入れしたりしながら、可能な範囲で施設へ通いました。
面会の度にまるで解脱するかのように穏やかになっていく母を可愛いなあと感じて、名前にちゃんづけで呼ぶようになり、たくさん会話を交わさずとも母と娘の時間を作ってくれ、少しずつ見送る覚悟を持たせてくれたこと、
まるでスケジューリングしてくれたかのように、近しい人間がきちんと会えて想いを伝えられたこと、
ほんのりと反応して喜んでくれただろうことに感謝しかないなぁと、母を思い出しながら優しい気持ちで過ごしています。
普段優しかった中にも気丈なところやガンコなところがあって、手先が器用でいろんなものを作ってくれた母の資質は、私にギフトとして受け継がれているのだろうと今になって改めて感じています。
母との繋がりとして、それを自分のよいところとして受け入れていきたいな。そんなことを思う今年の春は、すべてのことがよい方向へ向かっているタイミングだと体感しながら、とても印象に残る春になるんだろうなと思います。